
「太陽光発電って、今は売電価格も下がったし、もう元が取れないんでしょ?」
福岡・久留米で注文住宅を検討中のお客様から、最近よくこのような切実なご質問をいただきます。確かに、以前のような「売電で利益を出す」という華やかな時代は終わりました。
しかし、一級建築士の視点で20年、30年というスパンの「トータルコスト」を科学的にシミュレーションしてみると、実は全く別の答えが見えてくるのです。
今回は、電気代の高騰が続く今だからこそ知っておきたい、太陽光発電の「本当の経済性」について、現場の実感を交えて正直にお伝えします。この記事を読み終える頃には、あなたの家づくりにおける太陽光の優先順位が、すっきりと整理されているはずです。
目次
「売電で稼ぐ」時代から「電気を買わない」時代へ
「太陽光パネルを載せても、今は売電価格が安いから意味がないでしょ?」
福岡県久留米市を中心に注文住宅のご相談をお受けする中で、もっとも多くいただくのがこのお言葉です。確かに、10年ほど前までは1kWhあたり40円を超えていた売電価格が、現在は16円程度(2024年度)まで下がりました。かつてのような「売電収入で住宅ローンを返す」という「太陽光バブル」の時代が終わったのは事実です。
しかし、建築士としてあえて申し上げたいのは、「売電価格が下がったからといって、太陽光の価値がなくなったわけではない」ということです。むしろ、電気代が高騰している今、その重要性は以前よりも増しているのではないかと感じています。
10年前とは「正解」が変わりました
以前は、発電した電気をいかに高く「売る」かが重要でした。しかし現在は、電力会社から「買う」電気の価格が大きく上がっています。九州電力の単価も、燃料費調整額や再エネ賦課金を合わせると、1kWhあたり30円〜40円近くになる時間帯も珍しくありません。
ここで冷静に考えてみてください。
- 16円で「売る」こと
- 30〜40円の電気を「買わずに済ませる」こと
どちらが家計にプラスになるでしょうか?答えは明らかです。今の太陽光発電の本質は、稼ぐことではなく「高い電気を買わないための自衛策」へとシフトしたのです。

福岡・久留米の暮らしを守る「電気の先買い」という考え方
私たちが家づくりを行っている福岡でも、毎月の検針票を見て驚かれる方が増えています。太陽光発電を導入することは、例えるなら「将来30年分の電気を、今のうちに安い単価でまとめ買いしておく」ようなものです。
一級建築士として松尾和也先生から学んだのは、単に「流行りだから載せる」のではなく、30年、50年という長いスパンで「どうすればお客様が経済的に、かつ快適に暮らせるか」を科学的に分析することの大切さです。インフレで物価が上がる中、住居にかかる「変動費(電気代)」を太陽光で「固定化」することは、最も賢いリスクヘッジの一つではないかと考えています。
20年シミュレーションで判明!太陽光5kWがもたらす「約120万円」の利益
一級建築士として、私たちは感覚ではなく「数字」で判断することを大切にしています。では、実際に福岡で一般的な大きさの注文住宅に5kWの太陽光パネルを載せた場合、20年でどうなるか、具体的なシミュレーションを見てみましょう。
初期投資を回収した上で、利益が出る仕組み
現在の太陽光の設置費用は、5kWで約125万円(1kWあたり約25万円)が目安です。 一方、得られるメリット(家計への貢献)は以下の通りです。
- 自家消費による削減額: 高い電気を買わずに済む分(年間約8〜9万円)
- 余った電気の売電収入: 使いきれなかった分を売る(年間約3〜4万円)
これらを合計すると、年間で約12万円ほどの経済効果が生まれます。20年間で計算すると、合計で約240万円。ここから初期費用の125万円を引くと、手元には約115万円(約120万円前後)の利益が残る計算になります。

20年で価値がゼロになる「車」との違い
ここで一つ、身近な例えでお話しします。家を建てる際、多くの方が車を買い替えたり検討されたりします。例えば300万円の車を購入すると、20年後にはその価値はほぼゼロになり、ガソリン代や維持費でさらにお金が出ていきます。
しかし、太陽光発電という設備は、最初に約125万円を支払った後は、「自分でお金を生み出してくれる設備」に変わります。初期投資を10年前後で回収し、その後の10年は純粋な利益を生み出し続けてくれるのです。
「元が取れるかどうか」を心配される方も多いですが、一級建築士の視点で見れば、これほど手堅く、かつ家族の暮らしを守ってくれる投資は他にないのではないかと感じています。私たちの拠点がある久留米の豊かな日差しは、実は家計を支える大きな財産なのです。
福岡・久留米の電気代高騰に備える「電気の先買い」という考え方
私たちが家づくりをお手伝いしている福岡・久留米エリアでも、ここ数年の電気代の値上がりには驚かされるばかりです。一級建築士として多くの方の資金計画に携わる中で、今こそお伝えしたいのが「電気の先買い」という考え方です。
インフレ時代、現金を持つより「価値を生む設備」を持つ
現在、あらゆる物価が上がっていますが、電気代も例外ではありません。九州電力の料金体系を見ても、燃料調整費や再エネ賦課金といった、自分たちではコントロールできない項目が上乗せされています。
太陽光発電を導入することは、例えるなら「将来20〜30年分の電気を、今の価格で確定させてしまう」行為です。一度設置してしまえば、屋根の上のパネルが勝手に発電してくれます。世の中の電気代がどれほど高騰しようとも、自分の家で使う分については「実質0円」の状態を維持できるのです。
注文住宅のトータルコストを安定させる
インフレ局面では、現金の価値は相対的に下がります。しかし、エネルギーを生み出す設備は、電気代が上がれば上がるほど、その「節約効果」という価値が高まっていくのです。
私たちが手掛ける注文住宅では、35年という長いローン期間を考えます。その間、ずっと電気代に怯えながら暮らすのか、それとも太陽光という「自前の発電所」を持って家計を安定させるのか。電気代の上昇が家計に及ぼす影響を実感されている方が増えてきた昨今、多くのお施主様が、後者の方が圧倒的に心理的な安心感も大きいと話されます。
メンテナンス費用は?パワコン交換を見越した「本当の収支」
「太陽光はメンテナンスにお金がかかるから、結局損をする」というお声もよく耳にします。これに対し、一級建築士として誠実に、包み隠さずお答えします。確かにメンテナンス費用はかかりますが、それを差し引いてもプラスになるのが現在のシミュレーションです。
15〜20年目の「パワーコンディショナ」交換
太陽光システムの中で、もっとも故障の可能性があるのが「パワーコンディショナ(パワコン)」という、発電した電気を家庭用へと変換する装置です。これの寿命は一般的に15年〜20年と言われており、交換には工事費込みで約25万円〜30万円ほどかかります。
「やっぱりお金がかかるじゃないか」と思われるかもしれません。しかし、先ほどのシミュレーションを思い出してください。20年間で約240万円の経済効果があり、初期費用が125万円でした。ここにパワコン交換費用30万円を足しても、合計コストは155万円です。
240万円(メリット)ー 155万円(コスト)= 85万円
パワコンを一度新品に交換してもなお、85万円以上の利益が手元に残る計算になります。

一級建築士が勧める「信頼できるメーカー選び」
もちろん、これはパネルが20年以上しっかり発電し続けてくれることが前提です。信頼性の高いメーカー、コストパフォーマンスに優れたメーカー選びを大切にしています。
「安物買いの銭失い」にならないよう、構造的な安全性や長期的な補償などを検討して、ご提案しています。
経済メリットが出る必要もあるので、工務店として、価格抑えて仕入れられるルートを作ることも、日々行っています。
また、太陽光は、お施主様の状況によってもご提案するものが変わります。住宅ローンで太陽光を載せられる場合にご提案する方法や、住宅ローンの範囲内で太陽光までの予算が賄えない場合のでご提案方法。通常太陽光を載せられない北側に載せる場合のご提案など、時々でご提案する内容を変えております。
太陽光の恩恵を最大化する「おひさまエコキュート」と「断熱性能」の相乗効果
太陽光パネルを屋根に載せることは、いわば「自家発電所」を持つことですが、その電気をどう使うか、そしてその電気で作ったエネルギーをどう守るかで、経済性は天と地ほど変わります。福岡・久留米で注文住宅を建てるなら、ぜひ知っておいていただきたいのが、「おひさまエコキュート」と「魔法瓶のような家」の組み合わせです。
昼間にお湯を沸かす「おひさまエコキュート」の劇的な効果
かつて、オール電化住宅では「深夜電力でお湯を沸かす」のが常識でした。しかし、今の時代、その常識は180度変わりました。深夜料金が値上がりし、太陽光の売電価格が下がった今、「余った電気を売る(16円)よりも、自分たちで使う(30円〜40円の電気を買わずに済ませる)」方が、圧倒的に家計が助かるからです。
そこで登場するのが「おひさまエコキュート」です。これは、太陽が昇っている昼間に、太陽光の電気を使ってお湯を沸かすシステムです。
- 自家消費率が上がる: 売っても安い電気を、高いお湯に変えて貯めておく。
- 効率が良い: 外気温が高い昼間にお湯を沸かす方が、冷え切った深夜に沸かすよりもヒートポンプの効率が良く、使う電気量そのものが少なくなります。
福岡の豊かな日差しを、そのまま「お湯」という形に変えて蓄える。これこそが、現代の賢いエネルギーの使い道ではないかと感じています。

「断熱性能」という名の魔法瓶が、太陽の熱を逃がさない
どんなに太陽光で効率よくエネルギーを作っても、家の隙間からその熱が逃げてしまっては、バケツに空いた穴から水を注ぐようなものです。一級建築士として私たちが強くこだわるのは、「UA値0.46以下(G2グレード)」かつ「C値1.0以下」という高い断熱・気密性能です。
高性能な家は、例えるなら「高性能な魔法瓶」です。 冬場、南側の窓から入る太陽の光(日射熱)は、実は電気ストーブ数台分に匹敵するエネルギーを持っています。この「自然の恵み」を室内に取り込み、高断熱な壁と窓でしっかり閉じ込める。そうすることで、太陽光発電で動かすエアコンの負荷を最小限に抑えることができるのです。
私たち晃榮住宅が手掛ける久留米の住まいでは、単に設備を売るのではなく、この「パッシブデザイン」と「太陽光」を掛け合わせることで、将来にわたって光熱費に悩まされない暮らしをご提案しています。


まとめ:太陽光発電は、これからの注文住宅における「家計の防衛策」
今回のコラムでは、太陽光発電が20年スパンで見た時に「本当に得なのか?」という疑問について、一級建築士の視点から掘り下げてきました。売電価格が下がったからといって太陽光の価値が失われたわけではなく、むしろ電気代が高騰する現代において、その役割は「稼ぐ設備」から「家族の資産を守る防衛設備」へと進化したと言えます。
30年後の家計を左右する「トータルコスト」の視点
一級建築士として私たちが大切にしているのは、家を建てた時の建築費(イニシャルコスト)だけでなく、住み始めてからかかる光熱費やメンテナンス費を合わせた「トータルコスト」で考えることです。松尾和也先生の教えにある通り、30年、50年という長いスパンでシミュレーションを行えば、太陽光発電を導入し、断熱性能を高めた家の方が、結果的に生涯コストを数百万円単位で抑えられることが分かっています。
特に私たちが家づくりを行っている福岡・久留米エリアは、夏の日差しが強く、冬の冷え込みも厳しい地域です。こうした環境下で、自分たちの屋根でエネルギーを自給自足できることは、単なる経済的なメリット以上の「安心感」を家族にもたらしてくれるのではないかと感じています。

福岡・久留米で「後悔しない家づくり」を始めるために
太陽光発電の導入を迷われているなら、ぜひ「目先の損得」だけでなく、「将来の電気代上昇リスクへの保険」として捉えてみてください。インフレが続く今の時代、現金をただ持っているよりも、毎日確実にエネルギーを生み出してくれる設備に投資する方が、一級建築士の目から見ても合理的で誠実な選択であると言えます。
もちろん、太陽光さえ載せれば良いわけではありません。先程、お伝えした通り、それを支える「高気密・高断熱」の器があって初めて、太陽の力は最大限に発揮されます。私たちが手掛ける注文住宅では、こうした科学的な裏付けに基づいた設計を一つひとつ丁寧に行い、お客様の暮らしを支えていきます。
最後に建築士としてお伝えしたいこと
家づくりは、人生で一番大きな買い物です。だからこそ、表面的な流行やイメージに惑わされず、正しいデータと根拠を持って判断していただきたいと願っています。私たち晃榮住宅は、これからも福岡県久留米市を中心に、住む人が心から「この家で良かった」と思える、誠実で経済的な住まいづくりを追求し続けます。
もし、今回の内容でさらに詳しく知りたいことや、ご自身の土地での発電シミュレーションが見てみたいと思われたら、いつでもお気軽に相談してください。一級建築士として、あなたの家族の未来に寄り添った最適な答えを一緒に考えさせていただきます。


